昨年11月に落馬し、騎手生命に関わる大ケガを負った佐藤哲三騎手が16日、ラジオ中継出演のために阪神競馬場を訪れ、ファンの前に姿を現した。元気な姿を見せてくれて何より。本当に嬉しい。
「騎手生命」と書いたが、はっきり言って命を落としていてもおかしくないほどの大ケガだった。落馬時の診断結果は左上腕骨開放骨折、左肩甲骨骨折、外傷性気胸、L4(腰椎)横突起骨折、左尺骨骨折などなど、見ているこちらの体が痛くなるような文字が並んだ。
その中で徐々にではあるが回復し、「キズナの“どや顔”を見に行きたい」とまで言うようになったのだから、素直に嬉しいというのが一ファンとしての率直な感想だ。
後藤浩輝騎手にしてもしかり。負傷により苦しんでいるが、復帰への希望を捨てずに日々リハビリに取り組んでいる。本当に頭が下がるし、2人は騎手という職業がいかに危険で、いかに命を懸けて馬に乗っているのかということを改めて教えてくれる。
昔よりはマシになったが、今でも競馬場に行くと「落ちろー!」や「◯ねー!」といったヤジを飛ばす馬鹿なファンがいる。こういった騎手への敬意を欠くヤジだけは本当にやめてもらいたい。もちろん、騎乗ぶりがひどければやじりたい気持ちもわかるが、言葉を選んでほしい。「糞騎乗!」「ふざけるな!」ならまだわかるが、命に関わる類の言葉を発するのはルール違反。聞いているこちらとしても不快な思いになるし、ぜひ競馬ファンには“クリーンなヤジ”を心がけてほしいと切に願う。
改めて、騎手の皆さん、いつもありがとうございます。くれぐれもけがのないように頑張ってください。そして佐藤哲三騎手、後藤浩輝騎手、復帰を心待ちにしています。