優れた産駒を世に送り出すディープインパクト (C)JIN
ゴール前での激走に胸が踊った。3歳春から競い合ってきたライバルによる壮絶な叩き合い。結果的に、制したのはジェンティルドンナで、3冠という偉業を達成することになったが、3連続2着のヴィルシーナもまた、記憶に残る戦いぶりだった。
この2頭に共通していることは、ディープインパクト産駒であるということ。
ディープインパクトは既に片手では足りない数のGI馬を世に送り出しているが、それらの産駒にはある共通点が存在する。今回は、ディープインパクトの“成功配合”について解き明かしていきたい。
ディープ産駒成功の鍵は母系のスピード
ジェンティルドンナは……
父:ディープインパクト(サンデーサイレンス系)
母:ドナブリーニ(ダンジグ系)
母父:バートリーニ
という血統。母のドナブリーニはイギリスのスプリントGIを制した名牝だ。ジェンティルドンナの全姉ドナウブルーなど、他にも活躍馬を輩出している。
ディープインパクトは母方にスピードの血を持っている馬と相性が非常に良いが(このことについては後日)、ジェンティルドンナはその典型的な成功例というわけだ。その他のGI馬となった産駒を見ても、この傾向ははっきり見て取れる。
マルセリーナ
母:マルバイユ(仏GIアスタルテ賞/1600m)
リアルインパクト
母:トキオリアリティー
(スプリンターズS3着のアイルラヴァゲインなどスプリンターばかりを輩出)
ディープブリランテ
母:ラヴアンドバブルズ(仏GIIIクロエ賞/1800m)
母父:ルウソヴァージュ(仏GIイスパーン賞/1850m)
ジョワドヴィーヴル
母:ビワハイジ(GI阪神3歳牝馬S/芝1600m)
ビューティーパーラー
母父:ジャイアンツコーズウェイ(仏GIサラマンドル賞/1400m)
※2000m以下で活躍。種牡馬として数々のスピード馬を輩出
ご覧のとおり、ディープが輩出しているGI馬は、ほとんど母方がマイル以下で活躍したスピードの血を持っていた。ちなみにヴィルシーナも、スピードの血を持った馬である。
ヴィルシーナ
母:ハルーワスウィート
1000mで1勝、1200mで2勝
母父:マキャベリアン(仏GIモルニ賞/1200m┃仏GIサラマンドル賞/1400m)
他にもトーセンラーの母父リシウスはマイル以下の活躍馬であるし、スマートロビンの母父リファールにしても1400mのGIを勝つようなスピードを持った馬だった。
こう見てみると、ステイヤー血統との配合で目立つのはワールドエースくらいで、スピードの血がいかにキーとなってくるかがうかがえる。
ディープインパクト産駒の成功の鍵は母系のスピード。
そう意識してみていくと、また違った一面が見えてくる。もちろん、まだほとんど2世代しか走っていないだけに、今後傾向は変わってくるかもしれないが、それも含めて興味深く傾向を見定めていきたいと感じている。
菊花賞の穴馬候補
さて、来週は菊花賞。大穴としてぱっと思い浮かぶのは、やはりこの馬だろう。血統的にはこの馬を推さざるをえないし、実際に好走する可能性がないわけではないだろう。穴人気はしそうだが……。その馬の名は……
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