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府中の直線を軽やかに駆け抜け、14万人の“夢”を形にしたキズナ。今回は改めて、その血統について振り返っていこう。

キズナは父ディープインパクト、母父ストームキャットという血統。この組み合わせは現在最も注目を集めている配合だ。桜花賞馬アユサンや青葉賞馬ヒラボクディープなども輩出しているディープインパクトの“トレンド”といっていいだろう。半姉には桜花賞やエリザベス女王杯を制したファレノプシスがいる良血でもある。

近年のダービーでは重たい欧州血統よりも軽くてスピードのあるアメリカ血統の台頭が目立っている。(もちろん、軽いだけだとただの弱い馬になってしまうため、母母父やスタミナのある馬のクロスなどが必要だが。)SS×スピード豊富なストームキャットというのはダービーにちょうどいい配合で、まさに好走血統だったというわけだ。

ちなみに現在、母父ストームキャットは東京芝における注目血統。今開催、母父ストームバード系の成績は(2−5−1−11)で複勝率42%、単勝回収値144、複勝回収値165と秀逸な結果を残している。

このように、キズナはダービーの好走血統に合致していたことに加え、馬場もかなり味方したと考えられる

今後は札幌記念をステップ(なぜ札幌記念、しかも今年は函館開催)に、凱旋門賞へ挑戦するとのことだが、こてこての欧州血統(昨年はサドラーズウェルズ産駒のソレミアが優勝)が躍動するロンシャンの馬場でどこまでやれるか。正直なところ、適正は決して合わないと思うが、それでもキズナは夢を見させてくれそうなオーラを持っている。今後についても、引き続き注目していきたい。