ジャパンカップを圧倒的な強さで制したエピファネイア。シンボリクリスエス産駒が2000m以上のGIで勝てないというジンクスを2度も打ち破った。

母シーザリオの影響が大きいとはいえ、シンボリクリスエスの特徴を受け継いだこの馬がなぜジンクスを打ち破れたのか? シンボリクリスエスとはどういった時に買えるのか? 改めて考えていこう。

シンボリクリスエス産駒の弱点

その前に、シンボリクリスエス産駒の“弱点”をはっきりさせておきたい。シンボリクリスエスの弱点とは……

瞬発力のなさ

である。切れないわけではないが、重賞、特にGIレベルになると、どうしても切れ味のなさが浮き彫りになってしまう。切れ味が無いため、切れ味するどいサンデーサイレンス系の馬たちに差し切られてしまう。

エピファネイアの皐月賞(=イスラボニータ)やダービー(キズナ)を思い出してもらえればイメージがしやすいはずだ。

特に2000mを超えるGIはダービーしかり、天皇賞秋しかり、ジャパンカップしかり、瞬発力を問われるレースになりやすい。だから、シンボリクリスエス産駒は大レースで勝てないのだ。

GI馬の共通点

芝のGIを制したシンボリクリスエス産駒は2014年11月時点で3頭(4回)。その馬たちを見ていくと、シンボリクリスエス産駒の走り時が見えてくる。

エピファネイア
菊花賞、ジャパンカップ

ストロングリターン
安田記念

アルフレード
朝日杯フューチュリティステークス

この4勝に共通しているのは、サンデーサイレンス系の持ち味が生きないシチュエーションだったという点だ。

まず、安田記念と朝日杯フューチュリティステークスのレースラップを見てほしい。

安田記念(2012年)
12.2 – 10.7 – 10.9 – 11.1 – 11.4 – 11.3 – 11.8 – 11.9
※前後半3ハロン(33.8-35.0)

朝日杯フューチュリティステークス
12.2 – 11.0 – 11.3 – 11.4 – 11.9 – 12.0 – 11.7 – 11.9
※前後半3ハロン(34.5-35.6)

注目したいのは前後半3ハロンのラップだ。どちらも前半が1秒以上速い前傾ラップとなっている。前半からレースが流れたため、後半は失速しているわけだ。サンデー系の馬たちは瞬発力勝負が大得意。しかし、前半に脚が溜められなければ、切れ味を発揮することはできない。

前半からペースが流れて息をつくヒマがなかった安田記念や朝日杯FSは向いていないというわけだ。

言い方を変えれば、瞬発力の面で劣るシンボリクリスエス産駒は、瞬発力が問われない展開なら、好走してくる。

この傾向はエピファネイアのキャリアを振り返れば想像できる。

菊花賞
※不良馬場

ジャパンカップ
※前日の雨
※良発表ながら力のいる馬場

どちらも馬場が悪く、サンデー系の切れ味が活きる馬場ではなかった。ジャパンカップの週に関して補足すると、10Rの芝2000m戦は7番人気のブライアンズタイム産駒が勝利。9Rのマイル戦では5番人気のサクラバクシンオー産駒が勝っていた。つまり、父非サンデー系が台頭するような馬場だったわけだ。

だから瞬発力で劣るシンボリクリスエス産駒のエピファネイアは、パワーやスタミナといった長所を生かして勝ち切ることができたのだ。

まとめ

・サンデー系に不利なシチュエーション
ハイペースの消耗戦
渋った馬場

これらのシチュエーションになれば、シンボリクリスエス産駒が台頭してくる可能性が出てくる。頭に入れておきたい現象だ。

ただ、エピファネイアはシンボリクリスエス産駒の中でも特別な馬だ。なんといっても母シーザリオの影響が大きい。事実、エピファネイア以外のシンボリクリスエス産駒は2000m以上のGIで未だ馬券になっていない。

エピファネイアが好走したからといって、シンボリクリスエスの呪縛が解けたわけではない。GI(重賞)でシンボリクリスエス産駒は軽視。この基本姿勢は変えない方がいい。

最後に

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