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誰がこの結末を「予想」しただろうか。

グランプリ、有馬記念、オルフェーヴル、8馬身差の快勝

おそらく、多くの人たちは「期待」していたはずだ。オルフェーヴルが1着でゴール板を駆け抜けることを。有終の美を飾ってくれることを。

しかし、8馬身差の圧勝劇を「予想」した者はいただろうか? おそらく、数は少ないのではないだろうか。

またしても、オルフェーヴルは我々の期待を裏切ってくれたのだ。

オルフェーヴルという日本近代競馬の結晶

オルフェーヴルには華がある。そのやんちゃっぷりに、自然と引きつけられる。

始まりは新馬戦、兄のドリームジャーニーともコンビを組んだ池添謙一騎手を振り落としたところから始まった。

京王杯2歳Sでは1番人気を背負いながら、10着に大敗。その後も負け続けて、スプリングSで勝ってようやくクラシック路線に乗ったという馬だった。

しかし、そこからの活躍ぶりに関して、もはや説明は不要だろう。

皐月賞、ダービー、菊花賞といずれも圧勝劇を演じ、有馬記念では当時の現役最強馬だったブエナビスタからバトンを見事に受け継いだ。

翌年も話題に事欠くことはなかった。

阪神大賞典での逸走は、ある意味、最もインパクトのあったレースと言ってもいいかもしれない。あのレースで、人々は怪物の底力を知って夢を抱いた。「どこまで強くなるんだろう」。そう、胸をときめかせたのは私だけではなかったはずだ。

その期待は天皇賞春で早くも裏切られることになったが、その次の宝塚記念であっさりと巻き返してしまうところがこの馬らしい。

実りの秋、ステップレースを勝って臨んだ凱旋門賞。

本当にこの馬は、私たちをもてあそぶ

最後の直線で勝利を確信させて、夢を抱かせながらも、最後の失速した。

あんな、たかが数十秒の間で、これほどのドラマを演出する馬がいるだろうか?

この馬の真骨頂が発揮されたレース、ある意味それが、あの凱旋門賞だったのかもしれない。

そして今年も凱旋門賞で2着となり、迎えた有馬記念。

またしても彼は、我々の「予想」を裏切ってくれた。もっとも、今度は最高の形で

その血を未来へ

オルフェーヴルの話をする時、毎回話題に出すのだが、やはり彼こそが「日本近代競馬の結晶」と言える馬だ。

父ステイゴールド、母父メジロマックイーン、母母父ノーザンテースト。いずれも日本競馬の歴史上で記録にも、記憶にも残ってきた名馬ばかりだ。

この血をひく馬が6冠馬となり、人々に愛されながら引退していく。これ以上にドラマチックな物語はないと思う。

これから、彼には第2の馬生が待っている。彼には、その類まれな能力と尊い血を、未来へつなげていく義務がある

いい子を出してほしいし、いずれまた子どもたちがクラシックで、グランプリで、そしてロンシャンで走るところを見てみたい。

それが多くの競馬関係者とファンの願いだろう。

約3年半、競馬ファンを魅了し続けてきた“栗毛の怪物”はターフを去った。

心にポッカリと穴が開いた気持ちでいっぱいだが、今は彼に、心からお礼を言いたい

オルフェーヴル、ありがとう!!!

 

さて、中央競馬は終わったが、まだ地方競馬のクライマックスが待っている。

東京大賞典、私が現時点で本命にしようと考えている馬は、この馬になります。

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