出走可能だった皐月賞をあえてパスして臨んだ京都新聞杯。絶望的かと思われた位置取りからの渾身の豪脚。他馬を蹴散らす瞬発力と、父を彷彿とさせるスター性、そして背後にあるオーナーや佐藤哲三騎手との“絆”……。
様々な思いを乗せて、キズナは東京優駿・日本ダービーへ臨む。そしてそのスター候補生を導くのが、5度目のダービー制覇を目指す“天才”武豊騎手だ。
キズナと武豊騎手の出会いは佐藤哲三騎手の負傷により実現したが、最初の2回は生かせなかった。ラジオNIKKEI杯2歳S3着、弥生賞5着と惜敗が続き、クラシック出走へ黄色信号が点ったこともあった。しかし、「これがクラシックの厳しさ。いまが頑張りどころです」と弥生賞惨敗後に振り返ったように、次のレースへと視線を向け、クラシックを諦めなかった。
そして迎えた毎日杯、武豊騎手はキズナの能力を最大限に引き出す。メンバーに恵まれたとはいえ、豪快な上がり34.3で差し切り勝ち。「キズナ、強かったでしょ？ 今後につながる内容で勝てたわけですから、満足しています」と語った彼は、京都新聞杯での圧勝後にこう語っている。
「出られる皐月賞をパスしての意欲的なローテーションでしたから、勝たないと意味がありませんでしたし、その勝ち方も問われていました。そこを見事な内容でクリアしてくれたのですから、まさにダービーに弾みがついたと言えるでしょう。これは楽しみになりました」
キズナは毎日杯、京都新聞杯と連勝したことにより、おそらく1番人気に支持されるだろう。それはつまり、最も多くの競馬ファンが「武豊騎手5度目のダービー制覇」が見たいと望んでいるということだ。
武豊騎手自身、キズナの父ディープインパクトとともに府中を駆け抜けた2005年以来の優勝に、並々ならぬ意欲を燃やしている。「恐らく自分が一番期待している。ここで勝って、もう一度自分を奮い立たせたい」。
今年で44歳。故障により調子を落とし、勝ち星を手にできない時期があった。騎乗馬に恵まれず、GIでは騎乗すらできないことが多くなった。残念ではあるが年齢的な衰えも、隠しきれなくなってきている。
しかし、武豊騎手は終わらない。今年に入り着実に調子を上げ、ダービーで最有力馬に騎乗する。しかもその先には、さらなる夢が待っている。
「キズナが凱旋門賞に登録を済ませました。遠征が実現するかどうかは、あくまでもダービーの結果次第。個人的にはもちろん行ってみたいですが、その前にきちんと仕事をしなければ」
前人未到、5度目の“快挙”を目指して。その先にある凱旋門賞という“夢”へ向けて。武豊騎手とキズナが、ダービーの舞台に舞い降りる。
キズナ 全キャリア
新馬戦
黄菊賞
ラジオNIKKEI杯2歳S
弥生賞
毎日杯
京都新聞杯
さて、キズナが馬券的にいるのかいらないのかは気になるところだが、今回はダービーの“危険な人気馬”を挙げておこう。その馬の名は……
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5月11日(土)
東京8R 4歳以上 500万下
3連複 4,750円
3連単 25,430円
東京12R 4歳以上 1000万下
3連単 67,660円
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5月12日(日)
東京9R 立川特別
3連単 84,340円
新潟10R はやぶさ賞
3連複 14,680円
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