重賞が2つだとやりたいことができていいですね。過去2週は3日間開催×4重賞→3場開催×4重賞という酷なスケジュールだったので、なかなか新しい分野の考察ができなかった。今週は時間があるので、新しい知識を頭に入れたいと思って色々と調べているところです。

ブログでも最近は重賞考察&回顧ばかりになっていたので、コラムも増やしていければな、と思ってます。

で、せっかくなので今日は小ネタを少し。

このブログでよく、

中山は改修前のデータを持ちだしても意味がない

と書いてきました。今の時代、データは欠かすことができない予想ファクターなので「何言ってんだ?」という方もいるかもしれませんが、僕は実際に過去のデータをほぼ参考にせずにスプリングSや京成杯、中山金杯を本線で当てています。(中山重賞の◎は(2−2−1−5)なので、悪く無いですよね)

でも、「実際にどう変わったの?」ってところがなかなか分かりづらいですよね?

ということで今回は、血統面から改修前と後の違いについて書いていくことにします。なお、週末にダービー卿チャレンジトロフィーが行われるということで、今回はマイル〜2000mの距離を対象とします。また、人気馬や極端な人気薄の成績は省き、現実的に走る可能性がある穴馬がどれだけ走っているかをものさしとします。(メルマガ会員の方は種牡馬事典の穴馬の条件をご参照ください)



改修後の変化① ローカルっぽさが減った

中山競馬場といえば中央4場(東京、中山、阪神、京都)の中で最も直線が短い。だから中央4場の中では最もローカル競馬場っぽいコースとして知られていました。

実際、改修前は小回り向きの血統の成績がよかった。器用なタイプの先行馬が内々を通って穴を開けるようなケースが多発していた。

しかし、最近はこういったタイプの馬が穴を開けるケースが昔ほど少なくなっています。理由は当然のことながら……

・路盤改修

・エアレーションの導入によって極端な内有利になりづらくなった

この2つでしょうね。最近は開幕週から差しが決まることが多く、「中山といえば内枠」という格言はもはや過去のものとなっています。ローカルっぽさは確実に減りました。

血統面を見れば、一目瞭然です。

昔はローカル競馬場で活躍するサンデー系(主にリンカーンやアドマイヤジャパン、サムライハートなどのクラシックと縁がなかった種牡馬)が走ることが多かったんですが、改修後はローカル型サンデー系が明らかに成績を落としています。

改修前(12年〜)のローカル型サンデー系
(6−2−12−89)
勝率6%
複勝率18%
単勝回収値74
複勝回収値80

改修後のローカル型サンデー系
(3−5−2−56)
勝率4%
複勝率15%
単勝回収値43
複勝回収値43

ご覧のとおり、改修後は本当に走らなくなっています。血統面からいっても「ローカルっぽさがなくなった」というのは間違いないわけです。

改修後の変化② ダート型サンデー系の成績が向上

ここで気になるのが、「じゃあどんな血統の成績が上がったんだ?」という点ですよね? 成績を落とした血統があれば、上げた血統もあるはず。

結論からいうと、最も顕著に違いが出ているのが、ダート型サンデー系です。サンデー系ながらダートに強い、ネオユニヴァースやゴールドアリュール、アッミラーレといった種牡馬ですね。

改修前(12年〜)のダート型サンデー系
(6−9−9−94)
勝率5%
複勝率20%
単勝回収値72
複勝回収値81

改修後のダート型サンデー系
(3−5−8−45)
勝率5%
複勝率26%
単勝回収値73
複勝回収値117

ご覧のとおり、大幅に成績を上げていることが分かりますよね?

じゃあ、「パワー血統が良くなったの?」というと、そうでもない。逆に父ミスプロ系は改修前の複勝率が18%だったのに対し、改修後はなんと9%と、約半分になっている。ダート型の“サンデー系”という点がポイントなんでしょう。

要するに

差しが届きやすくなった→サンデー系に有利な馬場になった

そうはいっても中央4場の中ではローカルっぽいし、芝も重い→パワーバランスはスピード型サンデー系<ダート型、パワー型サンデー系

という構図になっているのではないかな、と思います。

実際、パワーとスピードを兼ね揃えたキングカメハメハの成績は改修前と改修後でほとんど変わりません。(正確に言えば改修後の方が成績がいいので、やっぱりパワーよりスピードに寄った馬場になってきているのだと思います)

まぁ大体の人がイメージしている傾向だとは思いますが、「起こっている現象に何か裏付けがあるのか、ないのか」を調べることは大事なので、「今更かよ!」と思うようなことを書いてみました。

本当はもう少し切り込もうかと思ったんですが、長くなったので今日はこの辺りで。

ちなみにこの血統は改修前も後も条件戦レベルではしっかりと走っているので、見つけたら買ったほうがいいと思います。

その血統(H)は↓↓(ランキング内で『アルファベット→馬名』の順で記載)

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